現在私は、2階に住んでいます。
そして、1階の住人さんは、ピアノの音が嫌いです。
正確には、ピアノよりも私を嫌っているようですが、まあ、それはおいておくとして。
1階の住人さんのうち、奥様の方は、もともと音全般に対して神経過敏なところがありました。ピアノの音が気に障るというのも、事実なのでしょう。ですので、奥様が在宅の折には、ピアノの音を出すのを控えることにしました。
ご主人の方は、多少の音では目を覚まさないタイプらしいです。ですが、仲よしご夫婦ですので、奥様に嫌な思いをさせる 『ピアノ』 に、いい感情は持っていないものと考え、ご主人が在宅の折にも、ピアノの音を出さないように、注意を払っていました。
私の夫は、できる限りの防音対策をした上で、昼間なら弾いてもいいという許可を、1階からもらって来てくれました。とはいえ、私としてはやはり抵抗があり、階下の留守時だけ音を出す、という日々を送っていました。
しかし、時には、1週間も2週間も、音を出す機会を得られない時期もあります。
ある日、弾きたい思いが高じて、過剰な遠慮を棚上げしよう、という気分になりました。7ヶ月も音を聞かせずにいてあげたのですし、少しくらい許されるはずですよ。勇気を出して、サイレントモードを解除しました。すると…。
2~3小節弾いたところで、階下でドアが勢いよく開く音がしました。それから、部屋から部屋へ、どすどす足音荒く歩き回る音、ドアを何度も強く閉める音、あちこちの窓を、がらっと開けては、ぴしゃっと閉める音。日常的な行為にしては、あまりに執拗で乱暴に感じられる物音が、やむことなく続きます。これはまさか、嫌がらせ?
この時家にいたのは、音を気にしないという、ご主人だけ。ほんの数秒、ピアノの音を聞いたことが原因で暴れ出すなんて、いくらなんでもあり得ませんよね。私の考え過ぎですよ。…と思いつつ、やはり不安は拭えず、落ち着かないので、結局10分程で演奏を止めました。すると、階下の物音も止まりました。
なんともいえない嫌な気分を抱えて、私はこのことを誰にも話さないまま、1階の住人にピアノの音を聞かせないように留意する日々を、さらに半年続けました。
私の弾きたい欲求が再び溢れた時、折しも、この家にいるのは、私と1階のご主人だけでした。半年前の出来事は、愚かな私の被害妄想だったのだと、自分を納得させるために、前向きな勇気を振り絞って、ピアノの音を出しました。その結果、半年前の状況が、パワーアップして再現されました。
勘違いだ、偶然だと、自分に強く言い聞かせながら、弾き続けてみましたが、それは現実逃避だと、もうわかってしまっています。どちらにしても、集中を欠く演奏はミスの嵐で、とても練習にはなりません。立て直せないとわかって、音を消しました。1階も静かになりました。義父の故意の嫌がらせだと、確信せざるを得ないこの結果を、心から残念に思いました。
ただ、初めはしおらしくしょげていた私ですが、段々腹が立って来ました。謂れのない、こんな嫌がらせに、屈してたまるものですか。怒りパワーに後押しされて、再びサイレント機能を外しました。
1階の人物は、また暴れ始めました。構わずにいると、ついに階段を上がって来ました。防音対策で設置した階段上のドアが、3回、ただ開け閉めされただけでした。ですが、その無言の圧力に、恐怖を覚えました。直接苦情を言われた方が、余程マシだったに違いありません。
そのうち、彼は自分の手足で音を出す行為に、疲れたようです。やっと静かになった…と思ったのも束の間、今度は大音量の演歌が、階下から響き渡りました。締め切った2階の部屋にまで、音を轟かせられるとは、一体どこまでスピーカーの音量を上げているのでしょう。
まともじゃない、と思いました。こういう人物が、斧をふりかざして、突然隣人に襲い掛かるんだ。私はこの時本気で、そんな恐怖に囚われました。指先がぶるぶる震えて、もうピアノどころではありません。
そして、2階が沈黙すれば、1階も連動して静まる法則が、またも成立しました。
家を出て行ってやるから金を出せと、この義理の親達から要求されたのは、その夜のことでした。結局、全財産を提供した挙句、私達の方が持ち家から追い出されるという結末に辿り着くわけですが、ピアノ騒音殺人事件を未然に防げたと思えば、これでも救いのあるThe Endなのかもしれません。
ピアノレッスンノート #33~35
◆エチュード (ツェルニー) (レッスン:1~2回目)
ハノンのテキストに所々挟まれている、『レッツトライ』 の曲、第2弾。1~2行目は、上の空でも弾けるくらい弾き込んだ時点で、ミスタッチもなくなった。半音が入る3行目は、ミスタッチ率がまだ高く、ペースも落ちる。指の動きが細かいので、リズム替えパターンは、ひどい有様。テンポについてはほぼ問題ないため、次の課題は、スピードアップ。指定速度98に対して、今はまだ、60前後。
◆ブルグミュラー8番 優しく美しく (レッスン:5~7回目) ~ 仕上げ
すらすら弾けるようになった5週目以降は、抑揚を付けて、曲らしく仕上げる作業に移る。前半の終盤では、楽譜には書かれていないが、diminの手前をクレッシェンドして弾くと、盛り上がる。後半のメゾフォルテやcrescは、もっと強調。左手がメロディを受け持つ時は、右手より目立ってもいい。仕上げの連弾は、最後の1音以外はノーミスという、毎度御馴染みのパターン…。
◆ブルグミュラー9番 狩 (レッスン:2~4回目)
30分のレッスンにて、3番目にみていただくこの曲は、辿り着いた時には時間切れ直前。ブルグ8番が今月で終わったので、来月から本格的なレッスンになるのだろう。
曲調が変わると、テンポが崩れるので、メトロノームが必須。メトロノームにストレスを感じる時は、安定して弾けていない時。右手が、1オクターブ間をぴょんぴょん跳ねるので、ミスタッチがとにかく多い。先生から細かい指示はあまり出ず、レッスンはほとんど連弾。2台のピアノの音を 『聴く』 ことが、今回のテーマなのだろうか。しかし、ミスタッチの嵐に合わせなければならない先生は、相当大変だと思う。
◆ 2008年1月~10月(35回) レッスン終了曲
◇ ハノン
1~14番
◇ バイエル
100番・102番・105番・106番
◇ その他の曲
すみれ・メヌエット
(エチュード:レッスン中)
◇ ブルグミュラー 25の練習曲
1~8番
(9番:レッスン中)
|
最近のコメント